誘蛾灯の囁き

アート音痴・芸術素人が好き勝手やってます。

2015-01-01から1年間の記事一覧

平野啓一郎「非日常からの呼び声」~絵画と築く関係性~

平野啓一郎氏の記述も実に興味深かった。彼はこの本の中で、こう語っている。 美術作品とのつきあいは、本来は、必ずしも一期一会ではないはずである 同じ絵を同じ美術館で何度も見るという経験をして、一枚一枚の絵と、特別に親密な関係を結ぶ喜びを知った…

『非日常からの呼び声』平野啓一郎氏から思うこと。

旦那に貸してもらった本、平野啓一郎氏が監修の「非日常からの呼び声」。宝物になりそうです。大好きなクノップフが載っていて嬉しかった。 (タイトル:『仮面』) その本に載っていたお気に入りの絵画についてあれこれ書いていきます。 安定の官能美。ティツィ…

映画『カッコーの巣の上で』感想(ネタバレ有り)

ずっと観たくてたまらなかった映画、『カッコーの巣の上で』。名作として名高いこの作品を、休日にビデオを借りて見てみました。 以下、ネタバレを含みます。 精神病患者ではないのに、労役逃れをしたいがために精神病院に入った主人公マクマーフィー。 主人…

「愛が込められたもの」の値段と、豊かさの本質。

1500円の醤油と158円の醤油の違いについてブログに書いている人が居て。 安いものはそれなりの理由があって、究極的には牛丼屋の牛丼なんぞ人間の食べるものじゃないと言ってる人が居たけど…確かに、車であれ家具であれ服であれ調味料であれ、人間の手間暇と…

画家の画集を買うのは無意味か?

とある質問サイトで、「絵画は画集を買っても生の絵ではないわけだし、意味がないのではないか?」という質問をしている人がいた。 実物のみが持つ「アウラ」のない画集を買うのが無意味だというのなら、それでは音楽だって生のライヴ以外のCD音源は聴く価値もな…

「笑い」と「恐怖」の境界線~チャップリンという天才~

週末に旦那と観る映画を、チャップリンの「サーカス」に決めた。 白黒の無声映画だけれど、今見ても色褪せぬ面白さで、おすすめの作品だ。中学生時代なチャップリンはかなりの作品数を見た。 近所迷惑なことに、真夜中に観ながら腹を抱えて大爆笑していたこと…

作品に対する愛のあり、なし。

昔の名作映画ばかり観ている私だけれど、ファッションデザイナーや、西洋王室・貴族の映画、心理学に関係していそうな映画がやってるとついつい観てしまうクセがある。 (あとは樹木希林の出演してる映画も見てしまう。)心理学系の映画としてかなり前に劇場で…

リヴィオ・セグーソ~調和と奏~

一目惚れのような出会いをしたリヴィオ・セグーソの作品たち。 もともと箱根ガラスの森美術館に行くことになったきっかけは、セグーソの作品を見たかったからでした。 私の行った時期はちょうどヴェネチアンガラス展とセグーソ展の2つが開催されていたので、…

箱根ガラスの森美術館(リヴィオ・セグーソ展)

箱根ガラスの森美術館(ヴェネチアンガラス展)

館内も撮影可能です。 非常にヴェネチアらしい水差し。 ガラスの中に閉じ込められたレース模様は当時ヴェネチアが持っていた最高峰の技術 美しい色。鮮やかさと透明感。 展示のされ方まで美しい。

「残すための写真」と、「語るための写真」

引用 《 目の前の情景を美しく正確に写しただけでは名画は生まれません。》人々が共感するのはその画家が描き出した精神性、物語性。 写真も大体同じことが言えるなァと思う。ただ写真は美しく撮ることに特化しても絵画と違って価値が生まれるけど。 ポスト…

私という人間について。

はじめまして。誘蛾灯と申します。 心理学部心理学科に身を置きながら美術の魅力に目覚め、完全な素人ながら好き勝手勉強したり、思ったことを語ったりしています。所詮素人なので知識には誤りや抜けがあるかとおもいますが温かい目で見守ってください。西洋…

日本人に印象派が人気な理由。

日本では印象派の人気が高い。前々から、何故日本では馬鹿の一つ覚えのごとく印象派印象派うるさいのかと、私はうんざりしていた。 散々語り尽くされている気もするけれど、その理由を素人の私なりにいろいろ考えてみた。西洋絵画を観る上で必要になってくる…

箱根ガラス美術館

箱根ガラスの森美術館 館外写真