誘蛾灯の囁き

アート音痴・芸術素人が好き勝手やってます。

『非日常からの呼び声』平野啓一郎氏から思うこと。

旦那に貸してもらった本、平野啓一郎氏が監修の「非日常からの呼び声」。宝物になりそうです。大好きなクノップフが載っていて嬉しかった。
(タイトル:『仮面』)
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その本に載っていたお気に入りの絵画についてあれこれ書いていきます。 安定の官能美。ティツィアーノ

サロメがあまりにもエロティックで蠱惑的なもので、ヨハネ(首ver)に全く気がつかなかった。
(サロメに全面的に光のスポットを当てて視線を集めようという画家の意図のせいでもあるのだろうが)
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これを見せたとき、旦那は「おれは禁忌感ばかりを感じたな」と言われた。
あたりまえの話だが、絵は人によって感じ方が変わるのも面白い。
エロスや官能は禁忌に宿ることが多い(と私は思っている)ので、理解できなくもないのだが。

素人の意見だから話半分に聞いてもらいたいが、晩年のティツィアーノはすごい。炸裂している。

有名な『ウルビーノのヴィーナス』とか、彼の描く女性といえばあの理想化された非人間的な美貌と肌だったように感じるのだが、晩年の作品は生々しい。
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ちなみにティツィアーノの他の晩年作品。
私の超お気に入りです。初めて見た時に震えたほど。
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(タイトル:『賢明の寓意』)
3人の人物がそれぞれ現在・過去・未来を象徴しているとのことで。
左の過去はティツィアーノ自身、真ん中の現在は息子、右の未来は遠縁の若者の肖像でもあるらしい。
この絵はあまりにも興味深いので、また後日あれこれ調べてみたい。


あと私はやっぱりムンクが好きだと思った。思春期 、接吻、マドンナ。など。
当然だが誰もが知っている『叫び』以外にも感動する名作はある。
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(タイトル:『接吻』)

率直なものを感じたまま写し取る、書きなぐる彼の絵は見ていて快いし、自分の感情を説明されたような爽快な心地がする。
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(タイトル:『マドンナ』)