誘蛾灯の囁き

アート音痴・芸術素人が好き勝手やってます。

「オシャレって、何?」

 

そもそもオシャレであるとはなんぞや?ダサいってどういうこと?ということを考えてみよう。

オシャレを突きつめると、『誰とも被りたくない!超キバツでこだわりの個性派』と、

『ベーシックなものをセンスよく&少しひねりを加えて自分らしさでセレクトする定番派』のふたつにわかれている。(ような気がする。)

個性派のオシャレには正解がなく、もはやその人の自己表現の世界なので、ここでは『ベーシックなオシャレ』の観点から、オシャレとは?、ダサいとは?を語っていきたい。

 

まずはダサいといわれるのにも理由があるという話から。
ダサいといわれる服や人にはどんなパターンがあるのか?

 

★キメすぎ、日常感がなさすぎな服
~女性の場合~
ゴスロリなどの非日常的な服装、またはネコ耳付きパーカーにニーハイなどといった、オタクウケのよさそうな服
アニメやマンガのような世界の服

 

~男性の場合~
FFに出てきそうな服、またはホストが着ているような服

どちらも、日常感がなくキメすぎているため服だけが浮く。
好きな人は好きというニッチなファッションのため、人から笑われたりすることもある。
相当これが好きとか、笑われても自分を貫きたいという人以外、ファッション初心者は手を出さない方が吉。

 

★スタイルが悪く見える服
~女性の場合~
ゆるっとした素材やシルエットのものを
なんとなくかわいいからとか流行っているからと特に考えずに着るとそうなりがち。

スタイルが悪くみえがちな服を着るときは、ヘアアレンジやメイクにまで気を配り、小物などの細部にまで凝らないとダサく見える。

 

~男性の場合~
ダボついたズボンなど、オシャレ上級者が『あえて』ダボついたものをセレクトしている感を出して着るものをぼんやりと着ているとオタクっぽく見える。

ダサく見せないためにはスタイルがよく見える服を着るのが大事
ゆるっとしたシルエットや、オーバーサイズの服は上級者むけ。
ある程度の経験値があり、スタイルのよい人のみが『あえて』計算して着ることでおしゃれに見えるという、難易度の高いアイテムだと思います。

 

★小学生のようなダサさがある服
原色、ポップすぎる色使いやデザイン
オシャレ上級者があえて遊び心を出して取り入れるならまだしも素人が手を出すと大火傷する

 

★中学生のようなダサさがある服
スカルや十字架、英語のロゴいっぱいの服など
女性の場合、黒×赤のチェックやニーハイなど
男性の場合ゴテゴテしたシルバーアクセサリーも危険
(お兄系でめちゃくちゃキメた人なら合うかも…?でもホスト風味)

 

そして何より、

 

★服の色合わせや、素材感やデザインや色のメッセージを理解していない人の服

 

結局、服というものを突き詰めれば
黒・茶色ベージュグレー(ネイビーカーキ)
この五色がベースになっている。
()内の色はベースにもメインにもなりうる色。万能色。

逆に言えばそれ以外の色の服は、差し色になるし、すなわち主役にもなりうるということ。

そのテーマとなる色は人それぞれ。赤だったり、マゼンダだったり…

 

ベースカラー二色×メインカラー一色が、一番無難かつオシャレに見えやすいコーディネート。
ベースカラー二色のみでは、無難だけど地味になりがちなので、上質なアクセサリーを付けたり、アクセントカラーの小物を投入するとよいと思う。

 

とまあ話はずれたが
ベースカラーを使わず、メインカラーのみの服装などはキバツ、ダサいと言われやすい。
個性派オシャレを目指す人以外は避けた方がいい道だと思う。


オシャレの経験値があがるまで、メインカラー二色×ベースカラー一色のコーディネートも避けるべき。
あとは、初心者のうちは同系色(茶色、ベージュ、クリーム、エクリュ)でまとめるとよい。

とりあえず、ダサい人は焦ってオシャレにならなくてもいいと思う。


無難&ベーシックで地味を目指そう。そのとき注意するべきはさっきも言ったようにダサく見せないためにスタイルよく見える服を選ぼうね。ダボダボゆるゆるよりも、ほどよくぴったり。

 

また、服には、素材感やシルエット、デザインや色には、メッセージがある。

 

簡単なわかりやすいところでいうと

『秋冬』というメッセージを発するもののほんの一例
素材感…ファー、ベロア、スエード
色…ボルドーマスタードイエロー、モスグリーン
(分からないなら画像検索。ググれ)

 

同じアイテムでも、素材感やデザイン、色やモチーフによって発されるメッセージは違う。

 

例えばシャツワンピ。
袖口や胸元にフリルやリボンといったモチーフがあり、ふわっと広がるAラインなどのシルエットならば『フェミニン』で『甘め』、『少女らしい』。そして『十代~二十代の若向け』。

同じシャツワンピでも、全体的にすとんとしたシルエットで、色もネイビー、シャツの襟がかっちりしていたら、『大人っぽい』『キャリア系』『OL風』『二十代後半から三十代向け』など、など。


私は女なので男物のたとえをうまく思いつかなかったけど、男も女も関係なく言えることは、こういった服のメッセージを無視して、めちゃくちゃなコーディネートをするとダサいと言われやすい。

 

着る本人は三十代なのに服のメッセージは『十代』とか、ボトムスは『秋冬』なのにトップスは『春夏』とか、靴は『ロック』『とがっている』『前衛的』なのに服は『ナチュラル』『自然体』だとか。

 

おしゃれな人はあえて、メッセージの違うものを組み合わせて楽しんでるけど、初心者はまねしちゃ危険。


初心者は、同じメッセージを発しているものを合わせよう。よく、同じ店でマネキン買いを進める人が多いけど、それは同じ店なら『メッセージ』が同じで調和が取れるからだと思う。『OL向け』と『ゴスロリ』が同じコーディネート内に取り入れられるという悲劇が起こらないから。

 

服のメッセージを読みとる力。
私は、これを俗にセンスと言うのではないかなあと思っている。
生まれながらにして恵まれている人は別として、色んな服を見て、試着して、雑誌を読んで、服を買って、失敗して、そしてみんな無意識のうちに付けていく。
だから初心者は色んな店をのぞいて、好きだなと思うものを片っ端から試着して、考えて、雑誌を読んで、失敗していくといいと思うんだ。

こう考えてみるとオシャレはセンスではなく理論で誤魔化せるものだなあと思う。
同性からダサいダサいといじめられ、私服が怖かった私の修行によって見つけた真理です。

 

そして何より大切になってくるのは、自分の体型と、顔立ちや、雰囲気の理解。

 

自分の体型や強みを理解し、服の発するメッセージ、作り手が託した想いを読み解けていれば、何百万の服を着た人よりも、数万の服を着た自分のほうを美しく魅せることだって可能だ。
(あと好きでも似合う服と似合わない服がある。気が合わなかったんだよそれ)

 

顔貌やスタイルは生まれつきのものだ。それはもう仕方ない。でもそれを活かすも殺すも自分次第。自分が最大の理解者であり、自分が最高のスタイリスト、最強のメイクアップアーティストになるんだ。

 

分からなければ先人達に聞けばいい。ファッション・メイク雑誌を買って開き、その人たちの講座を聞いたり、ランウェイのファッションショーを見る。デザイナーを知る。惹かれるものを知り、実際に着まくり、何が合うか、何がしっくりくるかを試す。

 

一見同じように見える白のブラウスだって、襟や、形や、フリルの有無から、全部違う。とにかく試着しまくるんだ。自分の顔立ちや、今の年齢や、今のメンタリティに合うか?ピン!と来たらそれは運命の服だ。あなたが変われば、年齢を重ねれば、欲しい服も似合う服も変わる。

 

自分の顔立ちと体型を知っておくこと。美点と悪点を把握しておくこと。美しく『魅せる』手段を知っているかどうか。しかもそれはアップデートされて、日々、洗練されてゆく。流行に左右されてるだけじゃなく、己の美学があるかどうかも大事。

 

そして特に才能あるデザイナーが作った服はパワーが炸裂しているので、着る側の『度量』も求められるんだ。高い服だけ買えばいいってもんじゃない。負けるぞ。安い服だろうが高い服だろうが、惹かれたらとにかく着てみるんだ。試してみる。己を知れ。

 

ちなみに私の理想は。

私が着た瞬間、値段など吹き飛んでしまって、わからなくなる。安い服が高く見える。靴と鞄だけはどーしても値段とクオリティが比例しやすいところだからお金かけますけどね。